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鬼柳 亮嗣; 松尾 康光*; 大原 高志; 川崎 卓郎; 及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 花島 隆泰*; 宗像 孝司*; 中尾 朗子*; et al.
no journal, ,
MH(XO)(M=アルカリ金属、X=Se, S)で表わされる一連の物質群は比較的低温において高いプロトン伝導性を示すことが知られており、低い温度でも動作可能な電池やセンサーなどの応用材料として注目を集めている。高いプロトン伝導性は構造相転移とともに発現するが、その相転移温度はMやXの元素種によって変化する。本研究では元素種の変化によりなぜ相転移温度が変化するのかを明らかにするため、Mの元素としてRbとKを入れた物質を対象として相転移温度と内部構造の変化の関係を調べた。伝導度や示唆熱の測定により、K原子の濃度が濃くなるにつれて相転移温度が低下することが明らかとなったが、その変化はK原子の濃度に対して線形ではないことがわかった。中性子構造解析の結果、K原子は2つのMサイトのうちの一つを優先的に占有することがわかった。また、K原子の濃度が増えるにつれてSeO四面体のひずみが大きくなっていることがわかり、この歪が相転移温度の決定に大きな役割を果たしていることが示唆された。
鬼柳 亮嗣; 松尾 康光*; 石川 喜久*; 野田 幸男*; 大原 高志; 川崎 卓郎; 及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 花島 隆泰*; et al.
no journal, ,
MH(XO) (M=アルカリ金属、X=Se, S)で表わされる物質群は比較的低温で高いプロトン伝導性(超プロトン伝導性)を示すことが知られており、センサーや電池など様々な応用が期待されている。超プロトン伝導性は、相転移に伴う水素結合の無秩序化に起因すると考えられているが、詳細はまだ理解されていない。また、超プロトン伝導性は相転移により発現するため、その相転移のメカニズムを明らかにすることも非常に重要である。本研究では、RbH(SeO)を対象とした超プロトン伝導相での中性子構造解析、RbKH(SeO)で表わされる混晶試料を対象とした伝導度測定と中性子構造解析を行った。高温での中性子構造解析の結果、室温で局在していたプロトンが高温では2次元的に広がった分布をしていることがわかった。これは、伝導プロトンを直接観測したものと考えられる。混晶試料の実験では、Kイオンの濃度が増えるに従い相転移温度が非線形に低下することがわかった。中性子構造解析の結果、Kイオンは選択的に一つのサイトを占有することがわかり、このサイトの占有率と相転移温度の変化に密接なつながりがあることがわかった。